うどんの国の元黄色電車 概要編
高松琴平電気鉄道、通称「ことでん」
レトロな雰囲気を残す旧型車両が数多く在籍することで昔から有名だった会社、今では4両を動態保存で残すのみとなったが今でも毎月走っています。
またこの会社は現役車両が全て、他社の譲渡車両であることも特筆すべき点。京急から来た車両は数も種類も多いためとても根強い人気があり、京王電鉄の元5000系は富士急とは違う分散クーラーが特徴的でこちらも密かに人気を集めています。
しかし話題に取り上げるのはそれらではなく、きしめんの国からやって来た一際人気のない車両たち。それが今回からの主役です。
名古屋市交通局から来た車両には600形、700形、800形の3車種がいますが、形式が同じなのに違う顔だったり、形式は違うのに同じ顔だったり…。知識なしに見ると、とても難しい車たち。そんな個性的な彼らを少しでも理解して会いに行って楽しんで欲しいな。という思いで記事を書いていこうと思います。
これから約5回、
600形(元東山線車両)
800形
600形(元名城線車両)
700形
の順でわかりやすく解説してゆきます。
で、終わるわけにはいかないので今回は京急や京王に比べ小柄な黄電たちが何故ことでんにやって来たのかというお話。
現在のことでんの主力車両は18m級車体の京急と京王の車両。16mにも満たない黄電は専らラッシュの頭数稼ぎとなっています。
しかしなぜ全て大型車で統一しなかったのか、何故志度線では第一線で活躍しているのか。それは志度線は16m、長尾線は17mしか入線できなかったから。
特に志度線を走れるサイズの電車は、全国を見ても名古屋の東山線、名城線、東京メトロの銀座線しかなく、志度線は黄電のためにあるような第二の就職先でした。そのため初めは志度線と長尾線に集中投入されています。
なお、のちに長尾線は18m級も入線できるように改良され、そこで長尾線を立ち退いた黄電もいます。
ことでん入線に際し、全車両に冷房設置、パンタグラフの設置、車内壁紙張替えなど大きく改造されていますが台車は名古屋時代のものが使用されており、第三軌条特有の雰囲気が残っています。
細かな機器の改造内容についてはWikiに書いてあるし自分の専門外なので省略させていただきますね。
そんなこんなで現在は
志度線に600形12両、700形4両、800形4両の18両
の計28両が在籍しています。
次回は600形(元東山線車両)を紹介していこうと思います。